プロジェクト名
「レズビアン・コミュニティの歴史」プロジェクト
目的
このプロジェクトでは、日本のレズビアン解放運動やネットワーク形成に関する資料を収集、保全、公開することで、運動の記憶を次世代につなぎ、現在や未来の活動を豊かにしていくことをめざしています。また、研究や教育現場での資料の活用をうながし、クィア領域における運動史研究の発展に寄与することをめざしています。
背景
近年、日本の「LGBTQコミュニティ」では、その歩みをまとめ発信する取り組みがなされるようになっています。しかし、「ゲイ男性」とくらべると、「レズビアン」や「バイセクシュアル女性」に関する発信は多くありません。この背景には、ジェンダーの非対称性を要因とする活動の少なさ、保全されやすい記録の少なさがあります。
集合的な活動が始まったとされる1960年代後半から80年代半ばまでのことは、断片的なエピソードこそ知られていますが、「女性」たちがどのように集う場を作り、つながっていったのかという全体的な動きが十分には記録されていません。1990年代まで「女性」たちをつなぐツールだったミニコミやニュースレターなどの収集も難しくなってきました。活動に関わった皆さんにお話をうかがえる機会も減ってきています。
このプロジェクトでは、レズビアンやバイセクシュアル女性のための集合的な活動についてご存知の方にインタビューを行い、口述資料として蓄積していきます。あわせて文字資料の収集、所蔵リストの作成、公開も進めていきます。
参加メンバー
杉浦郁子(立教大学社会学部・教授)
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呉丹(筑波大学大学院社会学分野・博士後期課程)
助成
本プロジェクトはJSPS科研費 21K01914の助成を受けたものです。