K & F 楽曲
基本情報
1)来歴:1990年頃「レズビアン・ウィークエンド」(1985年から開催されている合宿形式のイベント、埼玉県)のワークショップをきっかけに生まれた歌。レズビアン・ウィークエンドの他に、第2回ALN(Asian Lesbian Network)会議(1992年5月3-5日、埼玉県)、「れ組スタジオ・東京20周年イベント」(2007年12月23日)などで歌われてきた。
2)音源の提供者:K
3)音源の提供時期:2023年7月
4)検索タグ:レズビアン・ウィークエンド/れ組スタジオ・東京/ALN会議/1990年代/2000年代
5)形式:楽曲/歌詞
6)言語:日本語
7)データ公開および共有の区分:楽曲を共有(semi-private)/歌詞を公開(public)
文字
+ 内容を表示する◆歌と作詞:K
私は武蔵嵐山の国立婦人教育会館で春・秋の連休などに開かれていた「女のウィークエンド」という集まりに時々参加していました。あるとき、たぶん1990年ころ、「みんなで歌おう」みたいなワークショップを開いていたところにみえこさんがやってきていくつかの詩を示され、「曲をつけてみない」と言って下さいました。私は、作曲はあまりしていなかったのでちょっと不安だったのですが、自分の思いと重なる詩なのでトライしてみることにしました。
私は高校生の頃から、ピート・シーガー、ジョーン・バエズ、ボブ・ディランといった人たちのフォークソングが好きでした。これらのシンガーに共通するのは、公民権運動や反戦の歌がヒットしているということです。ただ、日本語でストレートに人権や平和の歌を歌うのは難しい、と感じ続けてきました。でも、みえこさんの詩は、「私たちはレズビアン」と力強く言い切った言葉でも、苦労なくメロディが浮かび、違和感なく歌うことができました。言葉に人に訴える力があり、私の思いとも重なっていたからだと思います。そして私は、この曲を自らのアイデンティティに誇りを持とうという人権の歌だと思っています。
◆作詞:みえこ
女を愛する女たちの集まりでK & Fさんに歌っていただいて、踊ったり楽しい時間を過ごしました。Kさんはギターを抱えて、ロック、バラード、タンゴ、ゴスペル、なんでも即興で作曲してくれました。
◆セットリスト
◆歌詞
I 私たちはレズビアン
作詞:みえこ 作曲・歌:K & F
1 私たちはレズビアン
それはちから
未来の娘に伝えよう
このよろこび
私たちはレズビアン
私たちはレズビアン
あなたとわたし
2 私たちはレズビアン
それは誇り
未来の娘に伝えよう
この幸福(しあわせ)
私たちはレズビアン
私たちはレズビアン
あなたとわたし
3 私たちはレズビアン
共に生きる
未来の娘に伝えよう
あふれるいのち
私たちはレズビアン
私たちはレズビアン
あなたとわたし
II もしも女を愛したら
作詞:みえこ 作曲・歌:K
1 もしも女を愛したら
思いっきり愛そう
明日ではなく今正直に
言いたいことを言おう
照れないですねないで
「愛しているよ」
2 愛しあって別れたなら
幸せ祈ろう
粋なはなむけの言葉ぐらい
彼女にあげよう
恨まないで追わないで
「お幸せに」
3 あんなに愛した彼女と
道でばったりあったら
喜びあおう出会えたこと
いつか愛し合ったこと
言ってあげようシャレぐらい
「愛していたよ」
(3の途中、Kによるアドリブ科白)
III 年をとるってすばらしい
作詞:みえこ 作曲・歌:K
1 年をとるって すばらしい
だって ほら
遠くが よく見えるようになる
ああ そうか そうだね
優しくなれる 賢くなれる
2 年をとるって すばらしい
だって ほら
娘がふえる 孫娘がふえる
ああ そうか そうだね
ゆうこ みき さつき けい……
3 年を重ねるって ほんとにすてき
いっぱい愛せる ゆっくり愛せる
ああ すてきなこといっぱい
年をとるって
ほんとにすばらしい
IV 泳ごう――泳げないあなたに
作詞:みえこ 作曲・歌:K & F
1 いい? 手を離すよ
そう みんな忘れて
遠い日に還ろう
私たちが魚だったとき
楽しさだけで泳いでいたとき
ほうら そうすれば
海はこんなにやさしい
水が私たちのまわりを
笑いながら泳いでいくよ
あなたはいま
魚のように自由
鳥のようにかぎりない
もう忘れない この力
このよろこび
私たちは鳥 魚 海 太陽
2 いいね 手を離すよ
思い出して
あなたの中の海
海のなかのあなた
あの日あなたから登った太陽
あなたが抱きとった太陽
あなたの上をすべる鳥たち
そうすればあなたは海
海はあなた
あなたはいま
魚のように自由
鳥のようにかぎりない
もう忘れない この力
このよろこび
私たちは鳥 魚 海 太陽
V 恋人よ
作詞・作曲:K 歌:K & F
1 朝だ 恋人よ
どんなくらい夜もかならず明ける
そして陽が登れば
私たちも歩きだす
歩きだせば 道ができる
さあ行こう 恋人よ
朝だ
2 海だ 恋人よ
信じよう このちから
信じればちからは
私たちの中にやってくる
どんな海もやさしい午後がある
さあ渡ろう 恋人よ
海だ
3 光だ 恋人よ
手を拡げ 抱きしめよう
そうすればたくさんの
光の腕がやってくる
聞こえるね 明日の音
さあ飛ぼう 恋人よ
光に
VI 球
作詞:F 作曲・歌:K & F
1 木の向こうから昇ってくる月
黄色い光 照らし
熱い 目が覚め
冷たい夜に
2 木の下に横になったあなた
月と一緒に昇り
美しい 球が舞う
冴えた空に
reF(繰り返し) 球 二重 三重 五重
球 遊ぶ 重なる 燃える
3 木の腕に囲まれて私
抱かれ抱き返し
楽しい 声が増え
天までに
4 星空ながめる私達
したに沈む上に浮く
宇宙に 誘われ
土に根付く
reF(繰り返し) 球 二重 三重 五重
球 遊ぶ 重なる 燃える
5 回る 回る 月と太陽
地球の娘たちの
踊りを 追う 追う、よ
6 広く、広く口を開け
星の焔呑み込む
体中燃える
VII 船出の歌
作詞・作曲・歌:K & F
1 西風にのって 舟を出そう
朝もやをぬけて 陽がさしそめる
あなたとふたりで 海にのり出す
見送る友が波間にゆれる
波ぬぐって 舟出のときだ
2 重ねた指に オールをにぎり
帆をふくらませ 東へ向けて
海は母親 ふたりのゆりかご
月が昇れば波も歌うよ
星がふたりを 守ってくれる
3 想い出を胸に はるかかなた
水平線を越えて どこまでも行こう
大きな海に 心たくして
さあ舟を出そう 力合わせて
さあさゆこう はるかな国へ